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 リスクの考え方

世の中の決まり事は、皆従っているのに合理的では無い事が多い。先日私が体験した事をお話ししましょう。

先日私は、立体視による視力回復に興味を持ち、立体視についてホームページから情報を集めた。ここで、あるホームページに、立体視は眼球の焦点が画面より遠くに結ばれるために視力が回復すると書いてあった。そこで、私は、立体視用の2枚の画像をモニター上で水平方向に動かして、2枚の画像間の距離を変動させることで焦点位置を変化させて視力を回復させるシステムを作った。

しかし、天谷先生(研究室の助教授)の指摘により、この視力回復システムは意味が無い事が判明した。なぜかといえば、立体視をしたときの焦点が結ばれる位置は、画面の奥にあるのではなく、画面上にあったからである。

こういう風に一般的とされている事柄が、必ずしも正しくないという事は多い。だからこそ、我々は一般的に正しいと思われている事柄に対して、疑って考え直してみる態度をもたなければいけない。

 

まずは、GOOGLE等の検索エンジンで「リスク」「標準偏差」のキーワードで検索をかけて欲しい。

そこで分かるのは、「リスクとは標準偏差であり、リスクをとれば投資収益率(リターン)が多くなり、リスクをとらなければリターンは少なくなる。」という事である。これを簡単に言えば、「価格が変動しやすい金融商品はリスクが高いがリターンが大きい、一方で価格が変動しない金融商品はリスクが低くリターンも低い。」である。リスクが高い金融商品としての代表例は「株式」であり、リスクが低い金融商品は「債券」である。

ここでよく言われるのが、ポートフォリオ効果である。ポートフォリオ効果とは、株式のような価格変動性の高い商品であっても多種類揃えればリスクが抑えられるという効果のことである。ただし、ある商品が下落する時に、価格が上昇するような商品を組み入れる事を前提としている。

「リスク=標準偏差」という定義を用いる限りは、上記の事は正しい。私の考えでは、上記定義は短期売買(デイトレード、スウィングトレード)ならば正しい。

しかし、「価格が変動しやすさ」で「リターン」の関係が語られるのはおかしいのではないだろうか?

ここで、2つの商品を考えよう。「今日100円の商品で1日あたり10円ずつ上がっていく商品A」と「今日100円の商品で1日あたり10円ずつ下がっていく商品B」。この商品の標準偏差は同じである。試しに11日間の両商品の標準偏差を求めると「33.1662479」となる。しかし、商品Aを購入すれば10日後には100円のリターンを得られ、商品Bの場合には100円の損失を被る。(ポートフォリオ効果信奉者のために、もう一つだけ実験する。商品Aと商品Bを購入した場合の10日後の標準偏差は0である。さらに、損も得もしない)

これでも、あなた方は、「リスク=標準偏差」という定義を利用して、ポートフォリオ効果を信奉しますか?私ならば、商品Aを買うことを望みます。

ではなぜ、そのような結果となったのでしょうか?これは、平均値が大きく関係しているからである。ポートフォリオ理論を利用する場合には、過去のデータを利用する。しかし、市場に出回っている株価の平均値を求める場合に、どの期間の株価の時系列データを利用するのでしょうか?その期間は、人間が決めるのです。しかも、長期投資になれば、未来の株価の時系列データが株価の平均値に与える影響が大きいのである。つまり、長期投資になればなるほど、過去の時系列データの意味が薄れてくるのである。

それにもかかわらず、種々の証券会社や関係者等は、株式の長期投資を勧めておきながら、もう片方で「リスク=標準偏差」という定義を利用して分散投資を勧め、分散投資という観点から投資信託を勧めてくる。

長期投資では、株価の変動率が高かろうが低かろうが、平均値が上がっていく方が重要なのである。もし万が一、所有している金融商品が、それ自身の変動率のせいで異常な値上がりをした場合には、積極的に売るべきなのである。

補足になるが、「リスク=標準偏差」という定義が短期売買ならば正しいといったのは、短期間における株価の平均値の株価に対しての変動率は小さく、標準偏差を大きくとればリターンを大きく取れる可能性が高いからである。この意味で、短期トレード用の支援ソフトウェアというのは作成可能ですね。

 

買い方にとっての本当のリスクは株価が下落するリスクである。(売り方にとっての本当のリスクは株価が上昇するリスクである。)

[そんなことは当たり前だと思われたならば、今貴方は「リスク=標準偏差」という定義を否定した事になります。]

 

以下、買い方について書いていきますが、リスクというのは下落するリスクに他なりません。大変シンプルなのです。

このリスクについて知りたい方は、私に聞くよりもご自分で考えた方が良いかもしれません。

(参考になる本程度なら紹介しますが。)

 

長期投資をする場合には、下落しないように防衛する事が重要になってくるのではないでしょうか?

(曖昧な書き方になりますが。)

 


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